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古紙偽装問題って覚えていますか? (172号 2009年1月)

ミスターリサイクル
 早いものであれから一年が経過した。古紙偽装問題はその後どうなったのだろうか。そういえば、今年の年賀状には「再生紙はがき」の文字が見あたらない。
 平成20年1月8日。TBS「NEWS23」において再生年賀はがきの古紙配合率不足の報道があった。1月25日までに日本製紙連合会加盟の17社が、コピー用紙等の再生紙製品の古紙パルプ配合率偽装を公表した。
 ここまでは、様々なメディアを通じて報道されたので覚えている方も多いだろう。その後を調べてみると「古紙パルプ配合率偽装問題について~その経緯と求められる今後の取組~」という報告書があった。そこには、こんな問題点があげられている。
 ・コンプライアンス(法令遵守)意識の欠如
 「古紙パルプ配合率」を「品質」とは認識していなかった
 ・品質上の要請と技術上の問題
 コピー用紙等では、古紙パルプを高配合すると、紙癖、詰まり等印刷トラブルが多く発生
 ・良質な古紙の調達の困難性
 品質を維持するための印刷の入っていない裁断くず等品質の高い古紙の入手が困難
 元々、偽装問題はコンプライアンス意識の欠落がそもそもの原因。その他の項目に目を向けると、そこには古紙配合率100%への難しさが見えてくる。
 ひとつは技術的な難しさ、もうひとつは原料調達の難しさ。そもそもコピー用紙を作るならばコピー用紙の材料になる古紙を調達しなければならず、古紙なら何でもコピー用紙の材料になるわけではない。
 環境に配慮した製品の購入を官公庁に求める「グリーン購入法」では、「古紙パルプ配合率100%かつ白色度70%程度以下であること」が義務づけられていた。しかし、平成21年度からは、古紙配合率が低くても「環境に配慮した木材のチップの使用割合が高い」「漂白度が少ない」などの一定水準をクリアできれば認められると環境省から発表があった。
 地球にやさしいと言われる商品の真偽を見極めるのは本当に難しい。しかし、購入者で使用者である私たちが「地球を考えた買い物」をやめるわけにはいかない。あなたは今日、何を基準に買い物をしましたか?
 
 参考資料
 古紙パルプ配合率偽装問題について
 ~その経緯と求められる今後の取組~
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Shiryo/
kankyo_200807_koshi.pdf/$File/kankyo_200807_koshi.pdf
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